AZT：ウナ！もたもたしてると置いて行くぞ！
ウナ：すいません、ちょっとトイレに…
AZT：馬鹿野郎！そこに船が着いているのが見えてただろーが？さっさとしないと間に合わないぞ！
ドタバタドタバタドタバタドタバタドタバタドタバタドタバタ
AZT：だぁああああ！！もう何で港側に改札口が無いのかねこの駅はぁあああ！！
ウナ：はぁはぁ、この辺は4年前と変ってないですね………あ。
ボォーーーーーーーーーーー
AZT：………………………………………………（ガックシ）
ウナ：船………行っちゃいましたね。
AZT：（ジロリ）誰の所為だと思ってやがんだこのタコがぁあああああ！
ウナ：あぁぁ、ぁ、その、すいません、すいません…
（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）
AZT：とにかく、次の船の時間を尋ねて切符買ってこい、もちろん金はお前持ちな。
ウナ：はい………。
（数分後）
ウナ：はい、切符買ってきました。あとコーヒーも買ってきたんですけど飲みます？
AZT：やけに気が利くじゃねぇか、で…次の船は何時だ？
ウナ：………………9：55
AZT：あぁぁああああん？！
ウナ：………ですから………9時55分………
AZT：ということは何か？こんななーーーんにも無い所で１時間待ちぼうけか？
ウナ：そう………なり………ます…ね（汗）
AZT：ふぅぅぅ………………海、入るか？
ウナ：へ？
AZT：6月も初めのこの小雨ぱらつく冷たーい海に浸かって反省してみるか？
ウナ：いえ………あの…それは…
AZT：本当にこの前の第二海堡の時といい、お前と一緒だと絶対すんなり行かないんだよなぁ。
（20分程経過）
AZT：（ボー）
ウナ：（ヌボー）
AZT：…オイ。
ウナ：…はい、なんですか？
AZT：暇だな。
ウナ：スイマセン…
AZT：もういい…………この前ここに来たのはいつだ？
ウナ：えーと、4年前ですかね。1994年の…何月頃だったかなぁ…冬だったような
AZT：そうか、もうそんなになるのか…あん時はまたここに来るとはカケラも思わなかったな。
ウナ：そうですね。私とAZTさんと編集長の3人で広島へ旅行したのがそもそもの始まりでしたね。あの時原爆ドームを見に行ったら編集長がやたら感動しちゃって。
AZT：唐突に「富士山が日本一の山ならここは日本一の廃墟だ！」だもんな(^-^)。もう当時からかなり怪しかったんだな、あの人。
ウナ：凄かったですからね、さらっと見て流すつもりだったのに周りをぐるぐる回って写真をバシバシ撮って、なんだかんだで1時間半近くいたんじゃなかったでしたっけ？
AZT：そうだったな…で、その後『廃墟ファン』を作ろうって言い出したんだよな。（……しかしその話に乗ったウチらも結構アレなのかもな。）
ウナ：そうそう。で、原爆ドームだけじゃどうしようもないからもうひとつぐらい廃墟らしいところに行こうってことになって…困っちゃったんですよね。
AZT：困る以外に無かったな。普通にガイドブック見たってそんなもんの情報は皆無だったし…お前が大久野島のことを言い出さなかったらたぶんそのままどこにも行くこと無く『廃墟ファン』の企画も立ち消えてただろうな。しかしなんでまたあんなトコに廃墟があるって知ってたんだ？
ウナ：昔見た写真集にあそこで撮影した風景があったんですよ、なんでここだけ覚えていたのかは不明なんですけど。
AZT：ふーん。
ウナ：あと、最近になって分かったんですけど、ここってかなり有名ドコロなんだそうですよ。
AZT：そうなんか？そうなると…
ウナ：えぇ、もろに掲載基準に反しますね。
AZT：まぁあれを厳密に適用したらどこにもいけなくなりそうだからそんなにこだわる訳じゃねーんだが
ウナ：なんか何も知らずには自分ラだけの秘境を見つけてはしゃいでいるみたいで格好悪いッスね
AZT：言うなぁあああ
（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）（殴打）
ウナ：わあああぁ、スイマセンスイマセン…
（更に20分程）
ウナ：あ、船が来ましたよ。
AZT：なんだフェリーじゃねぇか、この前来た時はもっと小さな船だったんだが…
ウナ：どうやら大久野島は立ち寄るだけで、更に先の方まで行くみたいですね。時間帯によって違うのかな？
AZT：まぁんなことどーでもいいか。オラ荷物持て。さっさといくぞ！
港はこんな感じ↓。「前に来た時の小さい船」とはこの写真の桟橋の両端に停泊しているタイプのものです。
しばらくして島影が見えてきました。４年ぶりの廃墟。我々を待ち受けるものは？！…ってそんなにおおげさな話では無いのですが。
