我らはこの破滅に至る暗い時代に一つの鐘を鳴らし、多くの人々をより速やかに永遠の安定の世界に導かんとするものである。いっさいの反論は空虚である、それは我らを待つ大いなる流れの前では。
先ず宣言する この宣言は「灰色」である
我らは絶望す 多くの「善意」なるものに
我らは絶望す 不快な臭いのする に
我らは絶望す 見えない霧に
我らは絶望す 包み込むような憎悪に
我らは絶望す 押し込まれる列車に
我らは絶望す 耐えられぬ連続に
我らは絶望す 伸びやかな自由に
我らは見る 機械を
我らは見る 造って造られない喜びを
我らは見る 狡知を
我らは見る 行政を
我らは見る エントロピーの増大を
我らは見る 暗い夜を
我らは見る 曇った空を
そしてそれは 笑い
そしてそれは 手を叩き
そしてそれは 足を踏みならし
そしてそれは 道端に唾を吐き
そしてそれは 果てることのない に溺れ
全ては既に「けり」がついているのだ！
我らは待つ 夜を
我らは待つ 黒い雨を
我らは待つ 石炭の詰まった袋を
我らは待つ 一椀の毒を
全てを指し示す場所は語られるまでもない
狂気は歯止めになり
理性は駆動力となる
我らは志す 全ての を
我らは志す 全ての価値の爽快な大逆転を
虚無こそが我々のたどり着くべきところであるのか、
繁栄こそが我々のたどり着くべきところであるのか、
保護するのがよいのか
唾棄するのがよいのか
全て今や明らかすぎるほどに明らかである
明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである、明らかである
明らかである！
破壊は訪れる 車に
破壊は訪れる 計算機の醜悪な機構に
破壊は訪れる 全てのショウに
破壊は訪れる 映像に
破壊は訪れる コンクリートの塊に
破壊は訪れる 大きな柱時計に
そしてこの後に、我らは喜びの無い河に至る
すなわちそれは へこんだアスファルト
すなわちそれは バネのたるんだトースター
すなわちそれは 膨らまないピグマリオ
すなわちそれは 草むらに立つ蛇口
すなわちそれは 澄み切った青空
すなわちそれは 乾いた、透明な、笑い
すなわちそれは 割れたガラス
すなわちそれは 盗んだバイク
すなわちそれは 傾いた塔
すなわちそれは 寒いビル
すなわちそれは 錆
すなわちそれは 廃液
すなわちそれは 苦い汁
すなわちそれは 酸っぱい汁
すなわちそれは 百万年に渡ってエネルギーを放出する無数のドラム缶
すなわちそれは まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、まだある、
まだある
在り続けるが見ることも見られることもない！
我らは悲観する 全ての「保護」を
我らは悲観する 小さな玩具を
我らは悲観する 大きなコンサートホールの中の長ったらしい退屈な喋りを
我らは悲観する 手作りのオカリナを
我らは悲観する 農薬のない、合成保存料のない、あらゆる添加物のない食生活を
我らは悲観する 全てのペットを
我らは悲観する 全ての母親を
我らは悲観する その母親に全ての原因を求める分析を
我らは悲観する 何もしないとされている父親を
我らは悲観する 父親を何もしないものとする思想を
我らは悲観する 紫色を
我らは悲観する 黒を追い出す思想を
我らは悲観する 模写して恥じることが無く、非難に非難でもって答える醜い芸術作品を
我らは悲観する 前衛と称する詐欺を
我らは悲観する 保守と称する惰弱な怠惰を
我らは悲観する 戦争映画を
我らは悲観する 目の大きいあらゆるものを
唯悲観のための悲観は無益であるか、無益こそ我らの指向するところ、有益こそ我らの審問するところ、
有益とは無上の価値であるか、価値であるか、価値であるか、価値であるか、価値であるか、価値であるか、価値であるか、価値であるか、価値であるか、価値であるか、
価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値価値
価値！
有益の審問など終わったも同然である。全ての論理は最早無い、この空に、この谷に。
最後に大きな声で読み上げる。
死を、生と
破壊を、創造と
絶望を、希望と
虐殺を、発生と
二度と対比しないと、絶対に対比しないと、
闇は光なしでは存在せぬと言う時代の終わりにおいて。
編集長（1997.1.15改訂）